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創部痛と思いきや腹腔内出血【解説】

2021年8月5日  日本医療機能評価機構

医療事故の再発防止を目的に、過去の医療事故情報やヒヤリ・ハット事例(※)から原因や対策を知る「医療事故、ヒヤリ・ハット事例に学ぶ」シリーズ。今回は「患者の訴える疼痛を創部痛と考え、腹腔内出血を疑っていなかった」事例を取り上げます。 ※出典:公益財団法人 日本医療機能評価機構の「医療事故情報収集等事業」 ※事例は「出血」のキーワードが含まれる事例から掲載。 【事故の程度】 死亡 【発生場所】 病室 【関連診療科】 外科 【患者】 入院/1人/50歳代 (男性) 【疾患名】 盲腸癌 【当事者】 医師(24年4ヶ月) 看護師(1年6ヶ月) 【実施した医療行為の目的】 盲腸癌に対する根治目的の手術 【事故の内容】 全身麻酔下で腹腔鏡下右半結腸切除術を施行。手術時間3時間4分。出血量28mlであった。術後は一般病棟へ帰室した。術後より創部痛の訴えがあり、ロピオンを投与し経過観察していた。疼痛の訴えによるナースコールがあり、体位変換を行い対応していた。心拍数が150回/分から40回/分まで下降あり意識レベル低下を認め救急コールと心肺蘇生を行ったが、心拍再開せず、死亡確認となった。死後画像診断では、...