バイアスピリンの再開見送り、新規脳梗塞が見つかる【解説】

医療事故の再発防止を目的に、過去の医療事故情報やヒヤリ・ハット事例（※）から原因や対策を知る「医療事故、ヒヤリ・ハット事例に学ぶ」シリーズ。今回は「引き継ぎの不手際で薬剤の再開を見送り、新規脳梗塞が発見された」事例を取り上げます。 ※出典：公益財団法人 日本医療機能評価機構の「医療事故情報収集等事業」 ※事例は「引き継ぎ」のキーワードが含まれる事例から掲載。 【事故の程度】 死亡 【発生場所】 病室 【関連診療科】 消化器科 【患者】 入院/1人/80歳代 （男性） 【疾患名】 脳梗塞 【当事者】 医師（10年6ヶ月） 看護師（1年6ヶ月） 【実施した医療行為の目的】 肝動注化学塞栓術に伴うバイアスピリン錠の休薬。 【事故の内容】 脳梗塞の既往でバイアスピリン内服中。肝細胞癌に対し肝動注化学塞栓術を行う方針となり、7日前～バイアスピリンの休薬を家族、本人に伝えた。○/2、DEBTACE施行。術中も安静保持困難で出血のリスクが高いと判断、バイアスピリンは○/4から再開の指示あり。○/3、PMより発熱が見られ、内科当直医より内服止め、飲水止め、食止めの指示あり、バイアスピリンの再開も見送ら...