胸部CT施行せず「帰宅可能」も、翌日にA型大動脈解離発見【解説】
医療事故の再発防止を目的に、過去の医療事故情報やヒヤリ・ハット事例(※)から原因や対策を知る「医療事故、ヒヤリ・ハット事例に学ぶ」シリーズ。今回は「胸部CTは施行せず帰宅可能としたものの、翌日にA型大動脈解離が発見された」事例を取り上げます。 ※出典:公益財団法人 日本医療機能評価機構の「医療事故情報収集等事業」 ※事例は「胸部CT」のキーワードが含まれる事例から掲載。 【事故の程度】 死亡もしくは重篤な状況に至ったと考えられる 【発生場所】 救命救急センター 【患者】 外来/1人/70歳代 (女性) 【疾患名】 A型大動脈解離 【当事者】 医師(0年) 【事例の内容】 5分間ほどの胸背部痛を主訴に救急車で来院された。来院時、胸痛は完全軽快したとのことで、バイタル上高血圧を認めなかった。急性心筋梗塞、大動脈解離、大動脈瘤破裂などを鑑別に、心エコー、心電図、採血検査、胸部単純X線検査を行った。心電図異常は認めず、心エコーで心嚢水貯留や壁運動低下を認めず、採血上でもCKMBやトロポニンIの上昇認めず、胸部単純X線でも縦隔の拡大はないと判断し、上記の鑑別を除外しました。胸痛は完全軽快したと本...
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