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PARP阻害薬耐性がん治療に抗菌薬が有効か

2021年8月28日  米国立がん研究所(NCI)

(海外がん医療情報リファレンス8月19日付記事を転載) がん治療薬の候補として、1950年代に発見された抗菌薬の試験が再び実施される。 がん患者を対象に初めてノボビオシンを検討したのは、30年前に実施された小規模な臨床試験だった。進行乳がん若年女性患者1例にこの薬剤が効果を示し、この患者は2年間生存したが、他のほとんどの試験参加者には効果がなかった。 30年後、ダナファーバーがん研究所の研究者がノボビオシンを「再発見」した。ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)阻害薬に耐性を生じたがん細胞を対象に、何千もの化合物を検証している時だった。PARP阻害薬は、卵巣がん、乳がん、前立腺がんなど、さまざまながんの治療に用いられる。 「ノボビオシンは薬剤スクリーニングで最も高い評価を得た薬剤の一つだったということに驚きました」と、ダナファーバーがん研究所のDNA損傷・修復センター(Center for DNA Damage and Repair)を率いるAlan D’Andrea氏(医師)はいう。ノボビオシンは、もはや人間の細菌感染症治療には使用されていないが、動物用医薬品として現在も生...