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感染症疑い患者の腹痛を解剖学的に考える

2021年8月31日  金原出版

岩田健太郎著『HEATAPP!たった5日で臨床の質問力が飛躍的に向上する、すごいレクチャー』(金原出版)より転載 解剖学的に考えよう 岩田 お腹が痛いと言っている患者さんが体性痛なのか、介達痛なのかは非常に重要になりますし、右の季肋部だと肝胆道系があります。ここがまず大事です。肝臓、胆嚢、それから胆嚢から総胆管につながって、そこから下がって膵臓とつながる。そして十二指腸に抜けていくというこの一連の器官があります(図3)。 図3 腹部の解剖 それから当然、上行結腸がありますね、横行結腸もあります。腸の病気のことも考えるべきですし、横隔膜とその周辺、つまり肺の病気のことも考えなければならない。当然、肋骨がありますので、肋骨の病気も考える。それから皮膚の病気ですね。よく騙されるのが帯状疱疹です。帯状疱疹は水痘・帯状疱疹ウイルスというヘルペス属のウイルス感染症で、デルマトーム(dermatome)に乗ったかたちで、皮疹が出るんだけど、皮疹が出ずに痛みだけのことがあるんですね(zoster sine herpete)。この体表の痛み、筋肉、皮膚、皮下組織、骨などと腹腔内の痛みとの違いを鑑別する方...