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術前の心電図を精査し、対角枝中等度の狭窄確認【解説】

2021年9月2日  日本医療機能評価機構

医療事故の再発防止を目的に、過去の医療事故情報やヒヤリ・ハット事例(※)から原因や対策を知る「医療事故、ヒヤリ・ハット事例に学ぶ」シリーズ。今回は「開腹術前の心電図を精査し、対角枝中等度の狭窄を拾い上げた」事例を取り上げます。 ※出典:公益財団法人 日本医療機能評価機構の「医療事故情報収集等事業」 ※事例は「手術」のキーワードが含まれる事例から掲載。 【事故の程度】 死亡もしくは重篤な状況に至ったと考えられる 【発生場所】 病室 【患者】 入院/1人/70歳代 (女性) 【疾患名】 S状結腸癌、虚血性心疾患 【当事者】 医師(10年) 【事例の内容】 2018年9月29日にS状結腸癌による大腸イレウスで入院となり、大腸ステントを留置した。胸部症状はなかったが、同日施行した心電図検査でV2&V5でSTの中等度の低下を認めていた。その後、腹部の経過は良好であり、大腸ステント留置時に大腸癌部からの穿孔を認めていたこともあり、早期の手術が望ましいと考え、患者、家族の同意のもと10月5日に手術を予定した。術前検査として心臓超音波検査を行ったが、虚血の所見はなく、同日、循環器内科にコンサルトをした...