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抗がん剤と放射線治療に伴う心筋障害から急性心不全【解説】

2021年9月19日  日本医療機能評価機構

医療事故の再発防止を目的に、過去の医療事故情報やヒヤリ・ハット事例(※)から原因や対策を知る「医療事故、ヒヤリ・ハット事例に学ぶ」シリーズ。今回は「抗がん剤と放射線治療に伴う心筋障害から急性心不全を来した」事例を取り上げます。 ※出典:公益財団法人 日本医療機能評価機構の「医療事故情報収集等事業」 ※事例は「化学療法」のキーワードが含まれる事例から掲載。 【事故の程度】 死亡 【発生場所】 病室 【関連診療科】 小児科 【患者】 入院/1人/0歳代 (女性) 【疾患名】 急性心不全 【当事者】 医師(21年9カ月) 【実施した医療行為の目的】 末梢血幹細胞移植を併用した化学療法 【事故の内容】 7歳女児で髄芽腫の患者。腫瘍摘出、放射線治療、末梢血幹細胞移植を併用しての化学療法を行う方針とした。 末梢血幹細胞移植を併用した化学療法の予定で入院。ビンクリスチン、シスプラチン、エンドキサンの投与が行われ、末梢血幹細胞移植が行われ、問題なく終了した。 移植翌日の朝より体重増加、顔面浮腫が出現、血圧50~60mmHgで傾眠傾向がみられた。利尿剤投与をするが反応は乏しく、エンドキサンによる左心障害...