寺沢秀一 (著)『研修医当直御法度 百例帖第2版』(三輪書店)より転載
Case 53歳、男性
既 往
喫煙歴、アルコール歴以外に特記すべきことなし。
病 歴
午後9時に「今朝から右のふくらはぎが痛い」という主訴でびっこを引きながら自家用車で救急室を受診。昨夜、建築現場で働いたための「肉離れ」ではないかという。
所 見
意識清明、血圧106/72、脈拍102/分、呼吸20/分、体温37.8℃
痛がる部位に軽度の発赤があり、圧痛も著明。
経 過
研修医は蜂窩織炎を疑い、当直室の上籍医に電話相談すると、「抗菌薬の点滴と、内服の抗菌薬を処方して、明日の皮膚科外来へ来るように言いなさい」とアドバイスをもらった。セファメジンα 2 gの点滴静注、セフゾンの処方で約1時間後に帰宅した。
8時間後に救急車で搬送され、血圧が触診で70台であった。
この患者には何が起きていたのでしょう?
この研修医のアプローチで改善すべき点は何でしょう?
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