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神経線維腫症I型の良性腫瘍、血液検査でがん化が分かる

2021年9月26日  米国立がん研究所(NCI)

(海外がん医療情報リファレンス9月20日付記事を転載) 神経線維腫症I型(NF1)と呼ばれる遺伝性疾患では、神経に沿って成長する非がん性(良性)の腫瘍が高頻度に発現する。この腫瘍は進行性のがんに変化することがあるが、これまでがん化したかどうかを判断する方法がなかった。 米国国立衛生研究所(NIH)の研究機関、米国国立がん研究所(NCI)のがん研究センターおよびワシントン大学医学部(セントルイス)の研究者らは、神経線維腫症I型患者のがんを早期に発見する高感度で安価な手段となる血液検査法を開発した。また、この血液検査法は、医師ががん治療の効果を判断するのに役立つ可能性もある。 この結果は、8月31日付けでPLOS Medicine誌に掲載された。 神経線維腫症神経線維腫症I型は、最もよくみられるがん易罹患性の症候群であり、全世界で3000人に1人に発症するとされる。NF1遺伝子の変異によって生じる疾患で、ほとんどの場合は小児期に診断される。神経線維腫症I型を持つ人の約半数に、神経に沿った大きいが良性の腫瘍(神経線維腫)が発現する。 神経線維腫患者の最大15%で、この良性の腫瘍が、悪性末梢神...