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「医療の実態を全く理解していない」と財政審建議を批判

レポート 2009年6月12日 (金)  村山みのり(m3.com編集部)

財政制度等審議会(以下、財政審)が取りまとめた「平成22年度予算編成の基本的考え方の建議」(以下、建議)に対し、全国医学部長病院長会議は6月11日に提言を、国立大学医学部長会議常置委員会は12日に要望書を取りまとめ、麻生太郎・内閣総理大臣、与謝野馨・財務大臣、西室泰三・財政審会長(東京証券取引所社長兼会長)にそれぞれ提出、都内で相次いで記者会見を開いた。 全国医学部長病院長会議は、建議の中で、医師の地域や診療科間偏在を是正する方法として「定員制などに関しての「規制的手法」の導入」が盛り込まれたことを問題視。「臨床研修制度の発足前は、医師養成削減政策による絶対的医師不足があったにもかかわらず、大学の調整機能によって、地域の医師不足も、診療科間偏在も顕在化していなかった事実を認識すべき」とした。その上で、規制的手法ではなく大学の調整力の回復、偏在の根底にある厳しい労働環境の改善、医師の高い志を支える社会的・経済的な基盤整備など、医師自らが誇りと使命感を持って地域や診療科偏在の解消に力を注ぐことのできる環境整備こそが最...