1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. 全国初、高浜町が福井大学にプライマリケアの寄附講座

全国初、高浜町が福井大学にプライマリケアの寄附講座

レポート 2009年6月16日 (火)  橋本佳子(m3.com編集長)

高浜町副町長の日村健二氏は、「単にお金を出せば済む時代ではなく、地域で医師を育てるという発想が必要」と強調する。 この4月、福井大学医学部に「地域プライマリケア講座」が誕生した。原子力発電所のある町としても知られる、福井県高浜町による3年間の寄附講座だ。都道府県が大学に同様の寄附講座を作った事例はあるが、町レベルでは恐らく全国で初めて。 人口約1万1500人の同町には、社会保険高浜病院(115床)のほか、高浜町国民健康保険和田診療所と個人診療所がある。詳細は後述するが、大学の寄附講座で医師を採用、高浜病院と和田診療所に医師を派遣してもらう仕組みだ。大学側としては、和田診療所などを医学生の臨床実習や若手医師の地域医療研修の場として活用できるメリットがある。 高浜町副町長の日村健二氏は、寄附講座設置の狙いを次のように語る。「高浜町には町立病院がなく、唯一の病院である高浜病院は医師不足である上、社会保険庁の解体に伴い、その運営のあり方自体が検討課題になっている。地域の医療を支えるカギは医師の採用だが、お金を出せば済む時代ではない。自分たちの健康は自分たちで守る、そのためには地域で医師を育てる...