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「7万字の報告書」に見る事故調査の可能性と限界

レポート 2009年6月29日 (月)  橋本佳子(m3.com編集長)

「報告書には、心肺停止に至った原因、治験の手続き、院内の事故調査体制という3点の柱がある。いずれについても国立循環器病センターに対して非常に厳しい指摘をする内容になっていると受け止めている。詳しい事実が明らかになり、大部の報告書を短期間にまとめた委員会の努力に遺族は敬意を表している。この報告書を国立循環器病センターがどう受け止めるのかを引き続き注視していく」(遺族側代理人で弁護士の堀康司氏) 「半年近くかけて詳細な報告書をまとめていただいた。診療体制、医療安全、治験のあり方などについて、システムのあり方や改善点が提示された内容だ。各部署で対応策を検討し、できるだけ早い時期に実行していくことを考えている。それらの中には既に実施していることもある。これらの点も含めて、また遺族に報告する」(国立循環器病センター院長の友池仁暢氏) 国立循環器病センターの「植込み型補助人工心臓治験症例に関する事例調査委員会報告書」が6月26日に公表され、国立循環器病センター、遺族側代理人がそれぞれ記者会見を開いた。 この報告書は、本体だけで83ページ、資料等を含めると100ページを優に超す。報告書本体だけで約7...