1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. 刑事責任を問われた以上、法廷で真実を明らかにする◆Vol.2

刑事責任を問われた以上、法廷で真実を明らかにする◆Vol.2

スペシャル企画 2009年7月10日 (金)  聞き手・橋本佳子(m3.com編集長)

――担当医が業務上過失致死罪で在宅起訴されたのは2002年8月です。それまでの間はどのような状況だったのでしょうか。 2000年に民事提訴され、その後に起訴されたわけです。起訴される前は、関係者全員、検察に事情聴取されましたが、それは突然だったと思います。私の場合は2日間で、1日目は午後1時から午後11時くらいまで、2日目は半日くらいだったと思います。 ――検察庁では何を聞かれたのでしょうか。 詳細には記憶していませんが、「割りばしのようなものが口に刺さった時に、重大なことが起きるはず。そこのことを医師として想定すべきだったのではないか」というのが検察の一貫した主張でした。しかし、先ほども言った通り、鋭利なもので口腔内を突くのは危険なことですが、それが頭蓋底を穿破して脳幹部を損傷した場合、脳幹部は生命維持の中枢ですから、即死か、あるいは運よく命が助かっても高度の意識障害と四肢麻痺が生じます。したがって、そのような状況が見られない限り脳幹部の損傷はないと考えるのが普通であると説明しました。この考えは一貫しており、私は刑事裁判の法廷でも、同様の証言をしています。 事実、この例においては割り...