1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. CPCの延長で鑑定を実施するのは禁物◆Vol.4

CPCの延長で鑑定を実施するのは禁物◆Vol.4

スペシャル企画 2009年7月22日 (水)  聞き手・橋本佳子(m3.com編集長)

――「検察に対しては、何かを言うつもりはない」とのことですが、刑事裁判の公判の展開をどう見ていたのでしょうか。例えば、医療行為の解釈という意味では、刑事裁判では、弁護側と検察側から複数の鑑定結果が出されましたが、その内容は異なっています。この辺りはいかがでしょうか。 私は法律家ではありませんから、法律面についてはコメントできません。ただ鑑定人、証人については思うところがあります。医療の世界では、CPC(臨床病理検討会)が非常に重要です。CPCでは、ある症例について、いかなる診断をして治療をし、どんな結果になったのかを提示します。医師が個人で経験できる症例数は限られています。「医師は死ぬまで一生勉強」というのは、そこなのです。一生が勉強の日々。他の医師の経験を生かし、自分の経験を豊かにする。それが医療の基本的な精神であり、だからCPCが重要なのです。 CPCは決して責任追及の場ではありません。CPCに参加しているすべての人の知識を深めるために実施するのです。これは医師の共通認識だと思います。適切な検査が行われたか、診断や治療は正しかったのか。当然、シビアな指摘もCPCでは出てきます。「こ...