1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. 「医師の人権を守るための活動に取り組む」◆Vol.5

「医師の人権を守るための活動に取り組む」◆Vol.5

スペシャル企画 2009年7月30日 (木)  聞き手・橋本佳子(m3.com編集長)

長谷川誠氏は、「この裁判が持つ意味を検証して、いかに医師の人権を守るか、そのあり方を考え、情報発信していく」と語る。 ――担当された先生は、事故があった1999年当時、まだ卒後3年目でした。 彼は医師のキャリア的にも、ダメージを受けた。彼は大学を離れた後、ある病院に勤務しました。その病院の院長は非常に理解がある方だと聞いています。ただ、正規の職員ではなく、非常勤職員だったようです。雇用する側にも、マスコミで理由もなくたたかれたりするリスクがあるわけです。無実を信じて支援した結果、それで経営に問題が生じては困るわけです。 私は刑事裁判後、彼にこう話しました。裁判はつらい、時間がかかる。仮に途中で彼がプレッシャーに負けてくじけたら、日本の医療はもっと崩壊したでしょう。医師が善意に基づいて医療をやったにもかかわらず、結果が悪かったとからと言って、刑事責任を問うと、医療は崩壊する。だから「この10年、君にとって何もいいことはなかったかもしれないけれど、君がくじけずに、がんばったおかげで、日本の医療の完全な崩壊はかろうじて免れた。この経験は君にも社会にとっても決してマイナスばかりではなかったと思...