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医療人として医療マニフェストを評価する◆Vol.7

スペシャル企画 2009年8月13日 (木)  竜崇正(前千葉県がんセンター長)

1. 自民党:低医療費政策の転換を掲げず、医師不足も認めず問題 マニフェストでは、医療基盤整備・医療体制安心確保として、必要なときに救急医療や産科医療が受けられる体制を作り、加えて小児科・へき地医療の担い手である勤務医を確保するとしている。医師数は今年度は約700人増やしたとするが、1985年には8340人の医学部入学定員を減らす政策をこの20数年続けていた。それをようやく、2008年の定員7625人から8486人に増やしたにすぎない。 1955年(昭和30年)には男性63.6歳、女性67.75歳だった寿命が、1985年には男性75歳、女性は80歳に届かんとする状況となった。こうした中、1983年の当時の厚生省の「医療費亡国論」を受け、自民党は低医療費政策を継続してきた。小泉改革で2002年の診療報酬改定で史上初めて2.7%減額されて以来、2008年までの計4回の改定で削減された医療費は計7.68%になる。日本は2005年には男性78.56歳、女性85.52歳と世界一の長寿国になる。人口の高齢化が進む中で、医療費がかかって当然なのにもかかわらず、医師抑制政策、医療費切り下げ政策では、「...