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民主党の医療ガバナンス-組閣人事を斬る◆Vol.2

レポート 2009年9月20日 (日)  上昌広(東京大学医科学研究所先端医療社会コミュニケーションシステム社会連携研究部門准教授)

9月18日、民主党の内閣人事が発表された。19日の日経新聞は「政治主導へ政策通起用 副大臣や政務官、意思決定影響力強く」と報じているが、筆者も同感である。今回は、民主党の医療政策人事を考察したい。 【厚労省だけ注目していては「木を見て森を見ず」】 民主党政権が発足後、早期に直面する問題は外交・組織作り・予算だ。恐らく、新型インフルエンザを除いて、医療は当面の問題にはならない。 医療業界の関心は、もっぱら厚生労働省人事にあるようだが、医療政策を考える場合、厚労省だけ注目していると「木を見て森を見ない」ことになる。 民主党の目標は「政治主導」。その最大の売りは、内閣府に創設された国家戦略局と行政刷新会議である。前者は予算の付け替え、後者は無駄の排除をうたっている。医療政策に大きく影響するのは明らかだ。次いで、民主党の医療マニフェストの売りの一つが、医学部定員50%増員だ。これは、厚労省ではなく、文部科学省が所管する。また、地域の医療崩壊を食い止めるために、中核病院の入院診療報酬の「少なくとも10%」の増額を表明している。該当する病院の多くは、公立病院で、その所管は総務省である。 このように...