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教授が真剣に教育すれば学生も応えてくれる◆Vol.8

スペシャル企画 2009年11月11日 (水)  橋本佳子(m3.com編集長)

発言時間は7分程度だったが、嘉山孝正氏は矢継ぎ早に医学教育改革を紹介。〔撮影:和田豊郁(久留米大学病院)〕 「教授が真剣に教育をすると学生はそれに応えてくれる。その結果、『出口』(国家試験)を良くなると、『入口』(入試)も良くなる」。こう強調し、教育の重要性を説いたのが、山形大学医学長の嘉山孝正氏。 11月8日の「医療者教育」のセッションで、嘉山氏は自らが山形大学に着任した1996年以降の教育改革の一端を紹介した。「how to」の知識や技術ではなく、鑑別診断をはじめとする「物の考え方」の教育を重視するのが基本姿勢。また各講座に任せるのではなく、医学部全体で調整・協調しながら実施していることも特徴と言える。 救急医療の充実やカリキュラムの見直しを実施 まず取り組んだのが、救急医療の強化。「救急医療ができないと医師としての第一歩を踏み出せない」という考えに基づく。まず17台のポケットベルを購入、各科の当直医に持たせて全員で救急医療を行う体制作りから始めた。以降、救急部の医療体制マニュアル作成をはじめ、様々な形で体制強化を実施。救急部の受診患者数は1996年度の171人から、ピーク時の20...