1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. NP導入よりもまず看護基礎教育の充実を◆Vol.9

NP導入よりもまず看護基礎教育の充実を◆Vol.9

スペシャル企画 2009年11月19日 (木)  橋本佳子(m3.com編集長)

看護基礎教育の充実のため、看護教員の定員増の必要性を訴える児玉有子氏〔撮影:和田豊郁(久留米大学病院)〕 「看護基礎教育の充実に向け、教員の定数増が必要。看護師にとって、基礎教育の充実、臨床現場と教育のかい離の是正は、ナースプラクティショナー導入の検討よりも優先する課題」 こう強調したのは、東京大学医科学研究所特任研究員の児玉有子氏。児玉氏は、以前看護学生教育に携わっていた経験を踏まえ、看護教員の定員数が少ないことが、専門性の欠如、教育の質の低下、臨床現場と教育のかい離などのほか、教員側の心の病などにもつながっている現状を問題視。その解決には教員定数の増員が必要だと訴えた。 「ナースプラクティショナーの議論が進行しているが、その中身を見ていると、医師の養成と同じ失敗を繰り返すのか、怒りすら覚える」と疑問視する児玉氏。例えば、米国のナースプラクティショナーは、専門領域別に資格を取得するが、自由選択のまま養成を進めれば、領域別の偏在といった弊害が生じることを児玉氏は懸念している。 医学科と看護学科の単位は1.5倍、教員定員は約12倍の開き 児玉氏は、「看護教育には様々な問題があるが、特に看...