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「過労死ライン」の36協定締結、国公立・公的病院の15%

レポート 2009年11月22日 (日)  橋本佳子(m3.com編集長)

全国医師連盟と全国医師ユニオンによる「医療機関における36協定全国調査結果」が11月22日公表された。調査は2008年末から2009年初めに実施、全国の大学病院や公立・公的病院など1549病院を対象としたが、36協定の締結・開示は1091病院(70%)にとどまったことが明らかになった(全国医師ユニオンについては、『医師個人加入の労働組合「全国医師ユニオン」設立』、『過労自殺、無給・大学院生などの相談が計29件』を参照)。 締結・開示した病院でも、(1)協定の対象に医師が含まれていることが確認できた病院は57%、(2)36協定で定められている1カ月の時間外労働は45時間以下で、この範囲内で締結していたのは54%、(3)最大は200時間で、「過労死ライン」とされる月80時間以上の時間外労働を定めたのは168病院(15%)――など、協定の内容に問題があることが浮き彫りになっている。 全国医師ユニオン代表の植山直人氏は、「今回の調査で、全国の公的な医療機関の多くが、労働基準法違反にあることが分かった。36協定を締結してなかったり、締結していても医師が含まれない病院がある。さらに、調査対象は地域...