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なぜ日医は情報発信をしてこなかったのか◆Vol.4

スペシャル企画 2009年12月18日 (金)  司会・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

原中勝征氏は、「地域医療の基本は開業の先生。なぜ国はそこが分からないのか」と訴える。(写真:松本健太郎) ――国の負担割合が減ってきたのは、後期高齢者医療制度導入の影響が一番大きいのでしょうか。 原中 その前からです。要は国が社会保障制度をどう考えるかでしょう。医療費の国庫負担は約4分の1、現在9兆円弱しか国は出していない。橋などの公共事業の予算のほか、隠れたお金が120兆円もあるという。国民に「9兆円と120兆円、どちらが大切か」と聞いたら、当然自分の生活を皆考えるわけです。 高齢者が増える時代に、なぜ療養病床を減らすのか。全く逆のことをやっている。老人ホームの自己負担は、昔は月3万5000円くらいで済んだ。ところが、「食事は自宅でも取る」ということで、食費が自己負担になった。今は月7万円くらい払わないと入れない。30万人、40万人待機者がいると言われながら、実は申し込みさえできない人がいるのが現実です。これを放置して、社会保障と言えますか。 こうした現実を一番分かっているのは、現場で働いている医師。だからこそ、日本医師会は効果的な行動を取るべきだった。国民の側に立ち、「皆さん、歳を...