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医学部新設への異議は医療人のエゴではない - 獨協医科大学学長・寺野彰氏に聞く

インタビュー 2010年2月26日 (金)  聞き手・橋本佳子(m3.com編集長)

全国医学部長病院長会議は2月19日、要望書「新たな医学部の増設と急激な医学部定員増に対する慎重な対応を求める請願について」を民主党幹事長室に提出、22日に記者会見を開き、要望書を提出した(『「医学部新設は、百害あって一利なし」、民主党に要望書』を参照)。 医学部新設に強く異議を唱える一人が、獨協学園理事長・独協医科大学学長で、弁護士の資格も持つ寺野彰氏。医学部新設に対しては、三つの問題があるという。第一は人材不足。「医学部新設を認めれば、“教授のリクルート合戦”“臨床医の引き抜き合戦”が生じ、教員不足および地域の医師不足が進み、ますます医療崩壊が進むのは確実な上、医学教育の質が低下するのは必至」と、寺野氏は危惧する。第二は財政的な問題、第三は手続き的、議論のあり方についての問題だ。こうした点から問題視する寺野氏は、「医学部新設への異議は医療人のエゴではない」と強調する。その考えをお聞きした(2010年2月24日にインタビュー)。 「医学部新設の議論は、目先ではなく、20年後、30年後を見据えた、透明性の高いオープンな形で行うべき」と強調する寺野彰氏。 ――医学部新設に反対する理由をお聞...