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外保連試案の採用は画期的、質評価の第一歩 - 安達秀樹・京都府医師会副会長に聞く◆Vol.3

インタビュー 2010年3月4日 (木)  聞き手・橋本佳子(m3.com編集長)

安達秀樹氏は、「中医協では、厚労省ではなく、現場から論点を出していくことが重要」と指摘する。 ――そのほか、今改定の特徴あるいは先生の受け止め方について、お教えください。 僕が一番評価しているのは、中医協において、外保連(外科系学会社会保険委員会連合)のヒアリングを行ったことです。そして外保連が作成した「手術報酬に関する外保連試案」に基づいて、手術の難易度に応じた引き上げを行った。これは大変画期的なことだと思っています。上げ幅ではなく、改定のプロセスとして。 日本の国民皆保険がスタートしたのは、1961年。その時、既に企業の健保組合が幾つかあった。市町村国保と政管健保を作り、皆保険にした。この時の基本的な理念は、「国民にあまねく医療を提供する」ということ。つまり医療提供の量を確保する制度としてスタートしたのです。戦後、経済の復興を図ることが国家の最重要課題であり、より健康な労働力を確保するために、あまねく医療を提供する。 しかし、今日まで日本の皆保険制度は、その姿を変えておらず、ずっと量だけで来た。量さえ足りていれば国は何とかなると考えてきた。だから「医療費亡国論」が出たり、経済財政諮...