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新型インフルエンザワクチン日米比較 - 有害事象発生状況の観点から◆Vol.55

スペシャル企画 2010年3月15日 (月)  中田はる佳(東京大学医科学研究所 先端医療社会コミュニケーションシステム社会連携研究部門)

1. 新型インフルワクチン安全性の議論 新型インフルエンザワクチンの安全性について世界で議論が始まっている。例えば、米国では、2009年11月にCDC(米疾病対策センター)が新型インフルエンザワクチンの副反応についてのレポートを出し、ワクチンの安全性モニタリングの重要性を説いている。 このレポートは2009年10月1日から11月24日までのデータに基づいて作成され、死亡例も報告されている。調査期間中の米国の新型インフルエンザワクチンの推定接種者数は約4600万人で、VAERS(Vaccine Adverse Event Reporting System; CDCとFDAの共同)に報告された接種後の死亡例は13例だった。13例の年齢別の内訳は、10歳未満3例、10歳代2例、30歳代2例、40歳代2例、50歳代2例、60歳以上2例であった。また、接種から死亡までの時間分布は、接種後24時間以内3例、接種後1日1例、接種後2日2例、接種後3日2例、接種後4日から1週間以内2例、それ以降3例であった。このように、死亡例と新型インフルエンザワクチン接種の関連性をうかがわせるような年齢、性別、健康...