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医師が国に勝訴、「保険医登録取消処分は違法」

レポート 2010年3月31日 (水)  橋本佳子(m3.com編集長)

みぞべこどもクリニック(山梨県甲府市)院長の溝部達子氏が、保険医療機関の指定取消と保険医登録取消という二つの処分の取り消しを求め、国を提訴していた裁判で、甲府地裁は3月31日、原告の訴えを認める判決を下した。ただし、国に求めていた損害賠償(10万円)は認められなかった。 溝部氏は、無診察投薬等で監査を受け、41万7845円(不正請求34万2176円、不当請求7万5669円)、2005年11月に二つの取消処分を受けていた。溝部氏は同月に提訴、翌2006年2月に裁判所は処分の執行停止を決定している(溝部氏はその後、保険診療を再開)。みぞべこどもクリニックの存続を求めた患者らによる「山梨の小児医療を考える会」が発足、2万8000人分以上の署名を集め、行政に働きかけるなどの動きもあった。 判決で取消処分が違法だとした理由について、代理人の石川善一弁護士は、「判決は、健康保険法に基づく指導・監査には、行政の大きな裁量権があるとしながらも、その裁量権には限度があるとしている。今回の取消処分は、社会通念上、著しく妥当性を欠くことが明らかであり、裁量権の範囲を逸脱していると判断された」と説明。 溝部氏...