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「明細書では医師・患者の信頼関係は築けず」

スペシャル企画 2010年4月27日 (火)  本田孝也(本田内科医院)

1.当院の概要 当院では、明細書の発行が義務化されるのに先立ち、3月17日~3月31日の2週間、患者アンケートを実施した(結果は文末に掲載)。同時に明細書の発行も開始した。アンケート結果の解釈に関連するため、まず当院のプロフィールを紹介する。 当院は長崎市の中心部から車で約30分の場所にある。私の父親が当地に開業したのが55年前。当時は周囲に医療機関がほとんどなく、いわゆる無医村の地区だった。父の専門は外科だが、産科がなかったため途中から産科もやり、外科、内科、小児科など幅広く対応していた。私が当院を継承して開業したのが15年前。今では周囲に医療機関も増えたが、父親の代からの患者やその家族が今なお外来患者の大半を占める。 もう一つの特徴は、被爆地域にあるということ。ある月の当院の外来患者は、レセプト件数にして346人。そのうち被爆者健康手帳を持っている患者が約20%(医療費の自己負担なし)、被爆体験者医療(長崎の特殊な制度で、被爆はしているが被爆者健康手帳は持っていない被爆者。対象疾患によって自己負担が免除される)が約30%。両者を合わせて約50%の患者が被爆者である。 2.受付は説明...