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「殺人罪が確定しても、“実害”がない」- 須田セツ子・元川崎協同病院医師に聞く◆Vol.1

インタビュー 2010年5月7日 (金)  聞き手・橋本佳子(m3.com編集長)

延命治療の中止で殺人罪に問われ、2009年12月の最高裁判決で有罪(懲役1年6カ月、執行猶予3年)が確定した、川崎協同病院の元呼吸器内科部長の須田セツ子氏。現在は開業医として、外来診療と在宅医療を行い、終末期医療にも携わる須田氏が、一連の裁判を通じて一番実感するのは、「司法と世間との間にはズレがあること」だという。最高裁判決にも疑義を呈する須田氏はこの4月、『私がしたことは殺人ですか? 』(青志社)を上梓した。 この川崎協同病院事件が起きたのは1998年11月。その後、2002年12月に逮捕・起訴されてから今に至るまでの思い、さらには本を執筆した理由などをお聞きした(2010年4月16日にインタビュー。計4回の連載)。 須田セツ子氏 1979年横浜市立大学医学部卒業。1980年から川崎協同病院に勤務。2002年3月、神奈川県内で開業。 ――まず今回、本を出版された経緯をお聞かせください。 2009年12月の最高裁の判決後、「ぜひ本を」と言ってくださった方がいたのです。私の言いたいことを書いていいということだったので、「やれるだけやってみようか」と。本にまとめることにより、これまでの様々...