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何のための裁判だったか、いまだ分からず- 須田セツ子・元川崎協同病院医師に聞く◆Vol.4

インタビュー 2010年5月13日 (木)  聞き手・橋本佳子(m3.com編集長)

「55歳であり、私個人としては医療から離れてもいいと思っているが、『私は医師でなくなったので、診ることができない』とは患者には言えない」と語る、須田セツ子氏。 ――「殺人罪」で有罪になっても、「実害がない」とおっしゃいましたが、行政処分が行われれば、医療ができなくなります。 川崎協同病院を辞める際は、長年務めていた病院でもあった上、「最期を看取ってほしい」という患者さんを残してきたので非常に心苦しかった。この診療所にも、そうした患者さんがいるので、医療ができなくなれば、その思いに応えられないことが非常に辛い。また、今の患者さんは高齢者で、疾患も多様で重症者が多く、慣れ親しんだ医師の変更はかなりの負担で、不安や混乱を引き起こすことが予想されます。 ただし、患者さんには、必ず「次の恋人」ができるのです。そうすれば、必ずそちらに行く。だからあまり気にすることはないのですが、やはり目の前にいる患者さんから離れるのは辛いですね。「私は医師でなくなったので、診ることができません」と離れるわけには行きません。その意味では、医師を続けていく努力をしなければなりません。 ただ私個人として言えば、もう55...