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今改定の二つの「変革」が次期改定の礎に

スペシャル企画 2010年5月10日 (月)  橋本佳子(m3.com編集長)

中医協委員で、国立がん研究センター理事長の嘉山孝正氏は5月8日、神奈川県保険医協会で「今次診療報酬改定と日本の医療の課題」と題して講演、今回の改定が「プリンシプルの改変」「中医協での議論の変革」という2点で特徴的だったと説明。これらの変革が次期改定につながるという観点から、今改定を捉える重要性を強調した。 「プリンシプルの改変」の一つが、小泉政権下での社会保障費削減からの転換。昨秋に野田佳彦・財務副大臣は「3%のマイナス」を掲げていたものの、最終的には全体では10年ぶりのネットでプラス0.19%が実現したとし、「額の多寡も大切だが、額が1円でも増やす方向、『増加の原則』に変換したことが重要」と嘉山氏は指摘した。 一方、「中医協での議論の変革」について、「従来は、舞台裏で改定内容が決まっており、中医協の議論はセレモニーだった。私が昨秋に足立信也・政務官から中医協委員を依頼された際、『根本的な議論をしてほしい』とのことだったので引き受けた。今回の中医協では、厚労省の提出したデータに疑問があれば指摘するとともに、我々がデータを出し、議論を進めたことが特徴」と嘉山氏は説明。 「誤った情報を出す...