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“事故調”議論の前に弁護士会は隗より始めよ - 堤晴彦・埼玉医大高度救命救急センター教授に聞く◆Vol.3

インタビュー 2010年6月7日 (月)  聞き手・橋本佳子(m3.com編集長)

「医師は医療水準を求められるが、“弁護水準”はなぜ求められないのか」と指摘する堤晴彦氏。 ――そのほか、どんな問題があるとお考えでしょうか。 弁護士の処分は、戒告、2年以内の業務停止、退会命令、除名の4段階。処分結果は、日弁連の会報誌『自由と正義』に掲載されますが、その処分内容は極めて簡単な記載にとどまっています。また、処分の結果は、裁判所、検察庁などに通知されますが、戒告は通知されません。弁護士会のホームページなどで年間何件の懲戒請求があり、その結果、どんな処分がなされているのかなど、統計的なデータは全く掲載されておりません。一方、医師の行政処分の結果は、毎年、厚生労働省が処分結果を実名で公表しています。 さらに交通事故と医療事故が同一事例で起きた場合、それぞれの損害賠償請求を別々に行う時に、各示談書において、「第三者に口外してはいけない」と記載しておけば、守秘義務ならびに個人情報保護の精神から、今回のケースと同様に、「二重受領」が“論理的”に可能になります。さらに、被害者側が、交通事故に対する損害賠償請求を行う弁護士と医療事故に対する損害賠償請求を行う弁護士、というように二人の弁護...