1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. 「大野病院事件を検証し、再発防止策の検討を」- 鈴木弁護士

「大野病院事件を検証し、再発防止策の検討を」- 鈴木弁護士

レポート 2010年6月9日 (水)  橋本佳子(m3.com編集長)

「事故調査の質、医療安全の向上などの観点から、第三者機関を作ることが必要」と強調する鈴木利廣氏。 日本麻酔科学会第57回学術集会市民参加シンポジウム「周術期管理における麻酔科医の役割」の演者の一人、弁護士で医療問題弁護団代表の鈴木利廣氏の講演内容は以下の通り(シンポジウムについては、 「麻酔科学会が大野病院事件でシンポジウム」を参照)。 【鈴木利廣・弁護士】(医療問題弁護団代表) 今日は麻酔科の方々に、医療職専門集団としての麻酔科医の役割を提起したいと思う。私は弁護士になって35年目だが、今から30年くらい前に、麻酔科医の役割を考えされられた事案を4つを立て続けに担当した。(1)アルバイト外科医による虫垂炎手術、(2)子宮筋腫摘出術中の脳出血、(3)肺切除術中の脳出血、(4)肩関節脱臼手術におけるアルバイト外科医による麻酔担当、という事例だ。 外科的手術における麻酔科医の役割について、当時、私は、この業界に入るまで医療のことを詳しく知らなかった。麻酔科医は痛みを取るのが仕事だ、と思っていた。実はそうではないことに気づかされることになった。 1993年に私が、岩波ブックレットの依頼を受け...