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百日咳患者の半数以上が成人、首都圏を中心に増加傾向

レポート 2010年6月23日 (水)  村山みのり(m3.com編集部)

百日咳患者の半数以上が成人、首都圏を中心に増加傾向 6月21日、国立感染症研究所感染所情報センターのメディア意見交換会において、安井良則・感染症情報センター主任研究官は、2010年第19週(5/10-5/16)以降、百日咳の患者増加傾向が続いており、特に関東地方で急増が目立っていると報告した。 百日咳は、好気性のグラム陰性桿菌である百日咳菌の感染を原因とし、特有の痙攣性の咳発作(痙咳発作)を特徴とする急性呼吸器感染症。母親からの移行抗体が有効に働かないため、乳幼児早期から罹患する可能性があり、ワクチン未接種の乳児が罹患すると死に至る場合もある。治療薬としてはマクロライド系抗菌薬が第一選択だが、セフェム系が処方されることもある。早期に抗菌薬を処方すれば、症状の軽減と菌排出期間(無治療の場合は3週間前後)の短縮が期待できるとされている。 従来は、乳幼児を中心とした小児で流行する疾患とされてきたが、最近では20歳以上の成人例の報告数が年々増加している。安井氏は、「『乳幼児を中心に流行する疾患』と呼ぶには相応しくない状況となりつつある。患者の発生報告を年齢群別に見ると、以前は0歳児が最も多かっ...