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「これだけ問題が多い報告書はない」、日医が医療産業研究会について会見

レポート 2010年6月30日 (水)  橋本佳子(m3.com編集長)

日本医師会副会長の中川俊男氏は6月30日の定例記者会見で、経済産業省の「医療産業研究会」が同日まとめた報告書を取り上げ、「これだけ問題の多い報告書はない。最大の問題は、副題に『国民皆保険制度の維持・改善に向けて』とあるにもかかわらず、国民皆保険を否定して、崩壊させようとしている点だ。地域医療の崩壊を見過ごして、公的医療保険に依存せず、民間市場を拡大しようとしている」と指摘した(報告書は経産省のホームページを参照)。 同研究会は前自民党政権下の2009年8月に設置が決まり、9月から計5回の議論を経て報告書をまとめた。「現政権下で、これをこのまま引き継いだことにも大変失望されられた」(中川氏)。 中川氏は、「現政権は、対GDP比の医療費をOECD平均並みに上げるとしているが、最近の動きを見ると、混合診療の全面解禁や医療ツーリズムの実施など、私的医療費を上げて、総医療費を上げようとしているのではないかと思われ、遺憾である。報告書は、現行制度の不備を指摘するが、日本医師会は周辺産業でカバーすればいいとは決して考えていない。国民皆保険の崩壊につながりかねない混合診療の全面解禁と医療ツーリズムには...