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映画「小さな命が呼ぶとき」で注目、希少疾患を巡る情勢一変も

レポート 2010年8月9日 (月)  星良孝(m3.com編集部)

「難病」と聞くと、「日常診療とは遠い話だ」と、医師の関心はなかなか向き難いかもしれない。しかし、状況は大きく変化している。背景にあるのは新薬の登場だ。製薬企業が希少疾患向け医薬品を相次いで発売している。 7月24日に全国公開されたハリソン・フォード主演の映画「小さな命が呼ぶとき」の題材となったポンペ病も、最近になり治療薬が登場した希少疾患、ライソゾーム酵素欠損症の1つ。その診療に取り組む、東京慈恵会医科大学DNA医学研究所小児科の大橋十也教授は、「専門医でなくとも拾い上げを意識してほしい」と強調する。 意外と患者数は多い可能性 「ライソゾーム酵素欠損症の患者は意外と多い可能性がある」。大橋教授はこう語る。2000年代に入って、報告される患者が年々増えてきているという。東京慈恵会医科大学を含む厚生労働省の「ライソゾーム(ファブリー病を含む)に関する調査研究班」が2001年に実施した全国調査では、500人ほどの報告があった。この調査では、ライソゾーム酵素欠損症の1つ「ファブリー病」は100人強の報告にとどまっていたが、2010年現在では400人ほどが報告されるまでになった。また、ポンペ病の...