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基礎疾患を有する人へのワクチン接種、今年はどうするか◆Vol.64

スペシャル企画 2010年8月26日 (木)  伊藤 淳(m3.com編集部)

「昨年は新型インフルエンザのワクチン接種に優先順位をつけ、基礎疾患を有する患者に強く推奨した。添付文書上、要注意とされている患者に接種を促したことになる。明確な因果関係は認めないものの、基礎疾患を有する患者で新型インフルエンザワクチン接種後の死亡例が多かったことを踏まえ、今年の方針はどうするのか」 8月25日に開催された厚生労働省の第4回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会と第1回新型インフルエンザ予防接種後副反応検討会の合同会議で、日本医師会常任理事の保坂シゲリ氏はこう発言した。厚労省のまとめによると、2009年10月から2010年6月までの副反応報告は(接種回数約2200万回)、重篤例417人(2/10万回接種)、死亡例133人(6/100万回接種)であり、季節性インフルエンザワクチンと大きな差はないものの、死亡例のほとんどが基礎疾患を有する高齢者だったことを受けての指摘だ。 これに対し、座長の獨協医科大学特任教授の松本和則氏は「現在のデータからは基礎疾患と死亡の因果関係についてはっきりとしたことが言えない。現在、そこを明らかにする方法論を考えている」と回答。山梨...