「オバマ改革から得られる日本の教訓とは」、米ハーバード大教授
レポート
2010年8月31日 (火)
橋本佳子(m3.com編集長)
日本医師会は8月30日、国際保健に関するセミナー「オバマ大統領の医療改革-日本への教訓」を開催した。講演したのは、米ハーバード大学公衆衛生大学院国際保健・人口学教授のマイケル・ライシュ氏(講演資料はこちらPDF:759KB)。ライシュ氏は、1983年に武見太郎・元日本医師会長が設立した「武見国際保健プログラム」のディレクターを長年担っている。 ライシュ氏は、「オバマ改革から日本が得られる教訓は、具体的な政策内容よりも、政策決定プロセスにある」と指摘。オバマ大統領が医療改革法案成立に成功した秘訣として、(1)利害関係者との交渉(米国医師会や製薬業界などと早い段階で交渉)、(2)立法作業を議員に委任、(3)大統領の強力なリーダーシップ、(4)政策の成功事例(マサチューセッツ州では既に皆保険を実現)の活用、(5)戦略的妥協(すべてを解決しようとしない、皆保険ではなく2019年に94%に加入率を目指す)――の5つを挙げ、これらが日本への教訓になるとした。 「日本の菅政権には、政治的生き残りと政策の空白というムードがある」とし、ライシュ氏は、菅直人首相のリーダーシップなどを疑問視しながらも、「C...
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