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「インド、多剤耐性、大腸菌」がNDM-1産生菌検出のカギ

レポート 2010年9月14日 (火)  橋本佳子(m3.com編集長)

独協医科大学の菱沼昭氏は、PCR法のプライマーを独自に作成し、NDM-1を同定した。 「Lancetの論文と、厚生労働省の事務連絡を見て、『インド、多剤耐性、大腸菌』というキーワードでピンと来た。Lancetによると、NDM-1(ニューデリー・メタロβ-ラクタマーゼ)産生菌は、大腸菌などの腸内細菌で確認され、カルバペネム系などに耐性を示すとされていた」 こう語るのは、独協医科大学臨床検査医学准教授の菱沼昭氏だ。独協医大病院は9月6日、記者会見を開き、NDM-1を産生する新タイプの多剤耐性大腸菌が、50歳代の日本人男性から検出されたことを公表した。この分析に当たったのが、菱沼氏だ。 NDM-1産生菌は、インドやパキスタンが発生源とされ、最近は欧米での流行が見られる。2010年8月11日のLancet電子版に疫学研究の結果が報告され、厚生労働省は8月18日、医療機関に対し、NDM-1産生菌が疑われる場合には、国立感染症研究所に照会することなどを呼びかける「事務連絡」を出した(PDF:160KB)。その後、今回の独協医大での日本初の検出を受け、厚労省は9月10日に全国調査を行う旨を都道府県に...