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「リスク高い医療で感染症」で刑事罰を問うのか◆Vol.2

スペシャル企画 2010年9月17日 (金)  橋本佳子(m3.com編集部)

――帝京大学の「外部委員報告書」は、感染と死亡との関係について、(1)因果関係が否定できない、(2)因果関係が不明、(3)因果関係なし、の三つに分けていますが、「因果関係なし」に該当するのは、どんな場合なのでしょうか。 「一番安全な医療を行うためには、どうすればいいか。それは患者さんを診ないことです、となったら、それは本当に怖いこと」(森澤雄司氏) 森澤 この辺りは臨床サイドの方でないと、分かりにくいでしょうが、「明らかな他病死」はあると思います。あるいは一過性に、感染症の症状を呈していても、明らかに治癒し、その後、別の病気で死亡することもあるでしょう。 ――過去には、セラチアの院内感染で患者が死亡した事例で、業務上過失致死罪に問われ、有罪になったケースがあります(『「院内感染で捜査」、医療は再び崩壊の懸念』を参照)。セラチアは、毒性が強いのでしょうか。 森澤 昔から学生には、「医療関連感染症を来す菌は、SPACEと覚えなさい」と教育しているのです。Sはセラチア、Pは緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、Aはアシネトバクター、Cがサイトロバクター、Eがエンテロバクター...