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対岸の火事でも、感染管理部門だけの問題でもなし◆Vol.4

スペシャル企画 2010年9月22日 (水)  司会・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

森澤雄司氏は、「厚労省には、ポーズではなく、現場へのフィードバックを前提としたシステムの構築を求めたい」と指摘する。 森澤 やや話は外れますが、最近、細菌検査室を持つ病院が少なくなっています。代わりに外部委託業者が実施するようになっている。この場合、あとから、「あの菌株どうなった。あれ追加で調べてみて」と言っても、難しい。その意味で、今回の独協医科大学の件(50歳代の日本人男性からNDM-1産生菌が検出された件)は、格好良かったですね(『「インド、多剤耐性、大腸菌」がNDM-1産生菌検出のカギ』を参照)。1年以上も前の患者が気になっていて、改めて検体を調べた結果、分かった。しかし、これは自前の検査室を持っていないとできない。 安福 病院の細菌検査室が減っているとは恐ろしいことですね。今回のアウトブレイクは帝京大学が検査していたから明らかになったのであり、警察が調べるための資料もある。そもそも検査していないから、分からない病院すらあり得ることになる。 森澤 学会等の発表を見ると、私の印象としては帝京大学の細菌検査室はレベルが高いと思うのです。 ――そもそもどんな時に、院内感染を疑って調べ...