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医療者の被ばく管理に問題あり、日本学術会議が警鐘

レポート 2010年9月30日 (木)  橋本佳子(m3.com編集長)

日本学術会議「放射線・放射能の利用に伴う課題検討分科会」委員長の柴田徳思氏は、「医療分野では、放射線作業者の実数すら把握されていない」と問題視。 「医療者は異動なども多いため、個人の被ばく線量の一元管理が必要。しかし、実際には個々の施設単位では管理していても、異動した場合、個人の被ばく線量を積算する形では管理されていないのが現状だ」 こう指摘するのは、日本原子力研究開発機構客員研究員の柴田徳思氏。柴田氏は、日本学術会議基礎医学委員会・総合工学委員会合同「放射線・放射能の利用に伴う課題検討分科会」の委員長として今年7月、「放射線作業者の被ばくの一元管理について」と題する提言をまとめた(提言は同会議のホームページPDF:512.8KBに掲載)。 各種法令上、国際放射線防護委員会(ICRP)の基準に則り、放射線作業者の線量限度は5年間で計100mSv、かつ1年間では50mSvが上限値として設定されている。原子力施設の放射線作業者では被ばくの一元管理が行われているものの、提言では、「放射線作業者の実数すら把握できない状態」と指摘、特に放射線作業者の約50%を占めると推定される医療領域の実態把握...