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日本のがん診療の問題はインフラの未整備- 国立がん研究センター理事長・嘉山孝正氏に聞く◆Vol.2

インタビュー 2010年10月19日 (火)  聞き手・橋本佳子(m3.com編集長)

――「今は整地中」とのことですが、そのカギは意識改革ということですか。 嘉山 はい、意識改革、それしかない。同時に、モチベーションを高める工夫もしています。「がん相談対話外来」を担当する内科系医師には1回当たり5000円を手当てとして支給しています。前任地(山形大学)では、外科系に先に手当てをつけましたが、ここでは内科系が先。また10月から手術従事手当、緊急時診療従事手当を創設する予定です。 ――今後の診療面での課題は。 嘉山 今年4月当初は医長103人、医員101人でしたが、常勤医は今、どんどん増やしています。以前は麻酔科医不足の時もありましたが、今は安定しています。4月当初、まずは各大学の訪問をしたのですが、やはり大学との交流が大事。 ――東大などとの「連携大学院」を創設する構想があるとお聞きしています。 「研究から創薬に至るまでの間で何が律速段階になっているか、それを一つひとつ洗い出し、問題解決していけば、おのずとインフラ整備につながる」と嘉山孝正氏。 嘉山 東大には今、ポジティブに検討いただいている状況。慶応大とは、ほぼ実施が決まっています。がん研究センターには全国各地から医師...