医学のトップランナー、それが医療渡航の前提条件- 伊藤病院院長・伊藤公一氏に聞く
インタビュー
2010年11月10日 (水)
聞き手・橋本佳子(m3.com編集長)
「『医療観光』を進めるには、受入体制の整備も大切だが、まずは医療の根幹である医学の面でトップランナーであることが第一」。こう指摘するのは、甲状腺疾患の治療で有名な伊藤病院(東京都渋谷区)院長の伊藤公一氏。伊藤氏は、観光庁の「インバウンド医療観光に関する研究会」の委員も務めるが、「医療ツーリズム」や「医療観光」ではなく、「医療渡航の方が、言葉としてしっくり来るのでは」と言う。その主軸は、健診ではなく、治療の提供にあるべきと考えている。 この9月にはインドやタイなどの病院も視察した伊藤氏に、「医療観光」をめぐる動向や、伊藤病院の取り組みについてお聞きした(2010年10月30日にインタビュー)。 「医療渡航を進めるには、経営者だけでなく、職員の興味と理解、さらには国民、同業者の理解も重要」と指摘する伊藤公一氏。 ――「インバウンド医療観光に関する研究会」が発足した経緯や活動状況をお教えください。 2007年1月に「観光立国推進基本法」が施行され、2008年10月に観光庁が発足しています。研究会が発足したのは2009年6月。研究会のメンバーは、既に外国人患者の受入実績がある病院管理者、弁護士...
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