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産科医療補償制度の“埋蔵金”に批判相次ぐ

レポート 2010年11月15日 (月)  橋本佳子(m3.com編集長)

11月15日に開催された厚生労働省の社会保障審議会医療保険部会で、2009年1月からスタートした、「産科医療補償制度」の概要が報告された。2009年1年間の収支報告で、収入保険料からこれまでに支払った保険金や事務経費を差し引いた「支払備金」が約262億円に上ることに対し、委員から批判が相次ぎ、保険料など制度の見直しを求める声が多数上がった(同部会の資料は厚労省のホームページに掲載)。 厳しい意見を呈した一人が、岩本康志・東京大学大学院経済学研究科教授。「補償対象は年間500人から800人を想定してスタートしたが、下限にも達しない可能性があるのではないか。5年近く制度を見直さないのは、非科学的であり、間違っている。補償原資に剰余が生じた場合には、保険会社から運営組織に剰余分が返還され、運営組織が制度の見直しなどに活用するとされているが、それは“埋蔵金”と同じ」と指摘、制度開始前と比べてデータが充実しているため、再検討し、できるだけ早く保険料を下げ、国民に換言すべきだと提言した。 産科医療補償制度の対象は、分娩に関連して発症した重度脳性麻痺の子供。日本医療機能評価機構が運営組織となり、保険...