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「医師の宿日直は通常勤務」、高裁判決の全国への影響大

レポート 2010年11月17日 (水)  橋本佳子(m3.com編集長)

11月16日、大阪高裁で、奈良県立奈良病院の産婦人科医2人が、未払いだった「時間外・休日労働に対する割増賃金」(以下、時間外手当)の支払いを求めた裁判の判決があり、原告・被告の控訴をともに棄却、一審判決を支持した。両者とも現時点では上告するか否かは未定。 2009年4月22日の奈良地裁判決では、「宿日直勤務は、実際に診療に従事した時間だけではなく、待機時間を含めてすべて勤務時間」であると判断、A医師に736万8598円、B医師に802万8137円を支払うよう命じていた(『「宿直」扱いは違法、奈良地裁が時間外手当支払い求める』、『原告・被告ともに控訴、奈良・時間外手当等請求裁判』を参照)。 宿日直を通常業務と認め、時間外手当の支払いを認めた大阪高裁判決は、奈良県だけではなく、全国の病院への影響も大きい。 原告はオンコール(宅直)についても、手当を認めることなどを求めて控訴、この点は棄却されたものの、紙浦健二・裁判長は判決言い渡しの際、「原判決通りの結論になる。時間外労働、休日労働、その分については、全時間を勤務時間とするという認定をした。その理由について詳細に判決文では説示している。宅直...