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レセプト情報の利活用には限界あり- デューク臨床研究所デューク大学医学部内科准教授・瀬戸口聡子氏に聞く◆Vol.2

インタビュー 2010年11月30日 (火)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

瀬戸口聡子氏は、レセプト情報は重要ではあるものの、「フォーマットの見直しが必要」と指摘している。 ――日本でもデータベースを構築する場合、まず候補に挙がるのが、レセプト情報の活用です。 レセプト情報は、患者さんの診療のヒストリー。米国の請求書(レセプト)では、「日付、診断名、実施した検査、治療、処方」などが記載されています。韓国や台湾も同様です。レセプトが優れているのは、母集団が明確で、時系列的にかなり完璧に把握できる点。しかし、デメリットは、電子カルテとは異なり、詳細なデータがないこと。レセプトは、基本情報としては非常にいいデータであるため、電子カルテなどとリンクして、より詳しい情報を入れたり、各種レジストリ(登録)とリンクさせていくことなどが、恐らく理想的なのでしょう。 ――日本のレセプトは月単位です。 そこが問題だと思います。日本でも、薬局の調剤レセプトでは、「いつ患者さんが来て調剤したか」、その日付が記載されていますが、病院の調剤レセプトや医科レセプト(特に外来)ではそれが分からない。診断も、検査も、投薬も、1カ月分がまとめて記載され、仮に月に2回受診しても1枚のレセプト。この...