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医療安全対策に特効薬なし - 貫戸幸彦・京都府保険医協会副理事長に聞く

インタビュー 2011年1月5日 (水)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

「医療安全」という概念自体がまだ定着していなかった1959年から医療安全対策に取り組んできたのが、京都府保険医協会。1968年には独自に医師賠償責任保険を導入、会員からの相談に対応する一方で、医事紛争の統計データを蓄積・分析するなどの取り組みも行い、『医療安全対策の心得』『医事紛争事例集』なども出版している。昨年、「医療安全対策50周年」を迎えた同協会の副理事長の貫戸幸彦氏に、最近の医事紛争の傾向や、医療安全への基本的な考え方についてお聞きした(2010年11月18日にインタビュー)。 貫戸幸彦氏は、「医療安全対策には、基礎的なことを繰り返し研修、実施していくことが必要」と説く。 ――約50年の医事紛争の統計データを分析されていますが、ここ10年前後の医事紛争に関する傾向をお教えください。 医事紛争(京都府保険医協会の「医師賠償責任処理室会」に諮った件数。その後、立ち消えたり、当事者同士で解決したものから、訴訟になったものまでを含む)に発展することが多いのはやはり手術関連(全体の31%)。これは1980年代、1990年代と同じです。1990年代は顕著に発生件数が増加、特に横浜市立大の“...