1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. 専門分化した医学を統合する使命 - 日本内科学会理事長・寺本民生氏に聞く◆Vol.1

専門分化した医学を統合する使命 - 日本内科学会理事長・寺本民生氏に聞く◆Vol.1

インタビュー 2011年1月4日 (火)  聞き手・まとめ:伊藤淳(m3.com編集部)

医学は専門分化を進めることで目覚しい進歩を遂げてきたが、ここに来て疾病を全体として捉え、上流(遺伝素因)から下流(細胞の局所制御)まで視野を広げる必要性が高まっている。日本内科学会理事長の寺本民生氏は、その流れの中心的役割を果たすのが日本内科学会と指摘する。寺本氏に今後、臨床的重要性が増すと考えられる領域、また日本内科学会の認定制度などについて伺った(2010年12月10日にインタビュー、計2回の連載)。 「高齢者の疾患群という捉え方が重要」と語る寺本民生氏。 ――今後、内科領域で臨床的な重要性が高まるのはどのような分野でしょうか。 1970年代に感染症は克服されたと言われたことがありました。次は癌との闘いであると。しかし、今また胃癌の原因としてのピロリ菌や、多剤耐性菌といった新たな感染症の問題が生まれています。病気というのは克服されて、次の世代に入っていくものではありません。 しかし、占める割合が変わっていくことは事実です。これから迎える高齢社会では、加齢に伴う疾患の重要性が増していくと思います。したがって、癌と動脈硬化性の循環器疾患は非常に重要な問題です。それからCOPD(慢性閉塞...