1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. Edwards博士のノーベル受賞に注目 - 日本産科婦人科学会理事長・吉村泰典氏に聞く◆Vol.3

Edwards博士のノーベル受賞に注目 - 日本産科婦人科学会理事長・吉村泰典氏に聞く◆Vol.3

インタビュー 2011年1月26日 (水)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

「お産への感動が産婦人科医を目指した原点」と語る吉村泰典氏。 ――最後に「7つの質問」の回答をお聞きします。 座右の銘は、「志有る者は事竟(ことつい)に成る」。 学会としての今年の抱負は先ほどお話しましたが、私の一人の医師としての目標は、生殖医療の長期予後をフォローする仕組みの構築であり、2010年の一番のニュースは、Edwards博士のノーベル生理学・医学賞受賞です。体外受精の技術を開発したEdwards博士は、生殖医療の発展に大きく寄与しました。これまでに世界で400万人以上の子ども達が体外受精で生まれています。日本でも年間約2万人が体外受精で誕生しています。これはすばらしいこと。ただ同時に代理懐胎、卵子提供など、様々な問題も提起しています。 ――産科の場合、技術の発展と生命倫理の問題との衝突が生じることが多い。 それは、Edwards博士が悪いわけではない。彼はすばらしい技術を提供した。問題なのは、これを使う側であり、技術を用いる際には知恵を働かせなければならない。この辺りを考えて生殖医療に取り組むことが必...