1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. 内視鏡分野は本格的な治療の時代 - 日本消化器内視鏡学会理事長・上西紀夫氏に聞く◆Vol.1

内視鏡分野は本格的な治療の時代 - 日本消化器内視鏡学会理事長・上西紀夫氏に聞く◆Vol.1

インタビュー 2011年1月7日 (金)  聞き手・まとめ:星良孝(m3.com編集部)

2011年、消化器内視鏡の分野は、診断から治療へと焦点が急速に移ると見る。内視鏡による腫瘍の治療手段が増えて、サポートする診断も高度になると予測。学会としては、使いやすい指針への改定やデータベースの構築などを推進するという。 治療の進歩に伴い、専門医には外科手術と同様に技術認定の仕組みが必要に。基本を整理したマニュアル、データに基づくガイドライン、講習会の仕組みを作っていく。学会が主体的に診断と治療の技術向上へシステムを作り、専門医を支えたいという。(2010年12月27日にインタビュー、計2回の連載) 「消化器内視鏡の重点は、診断から治療に移る」と説明する上西紀夫氏。 ──2011年、日本の内視鏡領域で注目すべき動きは何でしょうか? 今後、どうなるかですが、内視鏡の分野においては治療技術の向上に関心が集まるでしょうね。 歴史をひもとくと、内視鏡は1950年から1960年に登場しました。なぜ内視鏡を作ろうとしたか、そのモチベーションは、当時、日本では胃癌がものすごく多かったことがありました。進行癌で見付かっても、手術できる人がほとんどいませんでした。戦後、「何とか早くに、直接、胃の中を...