1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. 血液透析指針20年ぶり刷新へ - 日本透析医学会理事長・秋澤忠男氏に聞く◆Vol.1

血液透析指針20年ぶり刷新へ - 日本透析医学会理事長・秋澤忠男氏に聞く◆Vol.1

インタビュー 2011年1月13日 (木)  聞き手・まとめ:星良孝(m3.com編集部)

1990年に定めた血液透析ガイドランの刷新が20年ぶりに刷新される。生活習慣病の一般化、高齢化で透析患者の中身は変化した。透析導入前にもさかのぼった対策を強化する方針だ。 専門医の育成と併せて、コ・メディカルの有資格化も推進。透析医療の地域間の格差是正にも取り組む。透析患者の生命予後改善、QOL向上をチーム医療で推し進める姿勢だ(2011年1月6日にインタビュー、計3回の連載)。 「透析導入基準を20年ぶりに改める」と説明する秋澤忠男氏。 ──2011年、透析医療の課題は何でしょう。 「生命予後の改善」「QOL向上」の臨床の二大目標を解決したいと考えています。問題の一つは、透析患者の平均余命が短いことです。透析患者の平均余命は健常者の半分に達しない。平均余命をさらに延長する努力をする必要があります。 さらに、QOLが低いという問題もあります。健康関連QOL「SF-36」で評価すると、いずれの尺度も透析患者で劣っており、この改善も必要です。 ──生命予後の改善は重大な問題です。 一つの方向としては、診療ガイドラインを充実させていく動きがあります。全国には約4000の透析施設があります。い...